その、荒ぶる天空をもう一度……(8)
30分ちょっと歩いて白池地獄付近まで来ましたが、ここで本日未だに飲まず食わずだったことを思い出し、唐突に腹が減ってしまったので昼食です。14時ですが。
地獄めぐりの昼食と言えばココ。地獄蒸し工房 鉄輪さん。なんとも鉄オタっぽい名前で決めたわけではありません。
で、入口で発見。うおおおおおおおお!!電子クーポンが使える!!!!!有能!!!!!完全勝利!!!!!!!やっぱり地獄、お前しか勝たん!!!!!!!!!天国なんて糞くらえだ!!!!!!!と一人で盛り上がりました。これは贅沢しちゃうぞ~なんせ電子クーポン10000円以上あるからな~って意気揚々と3000円くらいの贅沢なセットを頼んでクーポンの券面を提出したらエラーコードが鳴り響きました。
『どうしてでしょう?』と店員さんと首をかしげて5分、理由が判明しました。
ご存知の通り、地域共通クーポンの券面には利用できる都道府県の記載があります。記載のある都道府県なら利用可能だし、記載がなければ利用できない。単純明快です。
電子クーポンにも同じく利用可能地域が指定されていましたが、私のクーポンは『長崎・熊本・福岡』との記載。つまり大分では利用不可能ということ。
えっ、だって今夜の宿は別府なんだよ?福岡なんて通過点なんだよ?と色々思うことはありますが、そうはいっても利用できないものはできません。
泣きながらランクを落として普通の野菜セット的なものを注文しました。当然、現金払いです。現地にお金を落とすという意味では正しいのかもしれませんが、果たして東京に帰るまでにクーポンを使い切ることができるのだろうか…と若干の不安を募らせつつ、実食。美味い。泣けるほど美味い。ぴえん。
食材を蒸し釜へ入れたり出したりは、鉄輪のスタッフさんがお手伝いしてくれるとはいえ基本はお客さん自身がやるので、自分の食材の様子をカメラで撮影することが出来ず、向かい側で調理中のお姉さん2人に断って写真を撮らせていただきました。
摂氏98度、100%地熱エネルギーの温泉噴気を利用した、江戸時代からの伝統料理だそうです。スタッフの方曰く『塩分を含んだ噴気で一気に蒸すので食材本来の味を堪能できる』そうです。確かに野菜類は甘く、肉は柔らかかったなあ。
お腹が膨れたところで地獄めぐり再開。こちらは白池地獄。お湯が白い以外の感想はありません。
地獄っぽい写真を撮ろうと試みますがセンスがありません。
続いて鬼山地獄。昭和感あふれる鬼が出迎えてくれます。
ここはワニ地獄とも呼ばれ、温泉熱を利用してジャングルなどの温帯地域で暮らすワニの飼育を行っていることで有名だそうです。
ここで伊勢神宮参拝旅行時に『近鉄の宇治山田駅へ行け』と連絡を寄越してきたなゆほ君から『ソフトクリームを食え』と連絡がありました。デイリーミッションじゃねえんだから…とため息交じりで周囲をきょろきょろと見渡しますが、ソフトクリームの文字はどこにも見当たりませんでした。
かまど地獄に移動。肝心の温泉より頭上のモニュメントの方が目立っているような気がします。
ちなみにこの鬼、先ほど訪れた八幡竈門神社の石段を神様からのパワハラによって強制労働をさせられるも、嫌になって完成間近でボイコットした後、改心して当園の門番になった鬼という設定らしいです。
園内の狭い敷地に色んな種類の温泉があって、閑散時間帯での来園だったためにスタッフの方が熱心に解説してくれました。とても親切なかまど地獄です。解説していただいた内容はすっかり忘れてしまいました。
更に移動して海地獄。めっちゃ青く、名勝なだけあって閑散時間帯でも多くの来園者がいました。密です。
そして鬼石坊主地獄。来園者は私の他に2組だけでした。すぐ隣には実際に温泉に入れるらしいので皆さんそっちに行ってるんですかね。
徐々に陽が傾いてきたので、徒歩とバスを使って湯けむり展望台と呼ばれる、別府の街を一望できる場所に移動しました。これまた住宅街を進む上に観光客っぽい姿が見当たらず、挙句に展望台は住宅地の中の小さな公園のような場所だったのですが、暫くしたらちょろちょろと観光客がやってきました。
更に陽が傾くとこんな感じ。幻想的ですね(適当)。
三脚をつかって撮影していると、お姉さん(結構美人)から『もしかしてもう少し早い時間のほうが見頃でしたか?』と声をかけられたのをきっかけに、その場で少し談笑。連れが宿泊しているホテルで湯船につかっている間にレンタカーで景色を見に来たそうです。あれっ、これってもしかして良い展開?良い展開なのでは??????と一人でソワソワし始めた矢先に解散。残念。
展望台から別府大学駅まで徒歩30分らしいのでテクテクと歩いていくのですが、急に家も人影もなくなって本当にこの道であってるのかスマホを睨んでいたら急に電波が入らなくなりました。多分こっちの方角だろう…と歩くと行き止まり。戻ろうとしたら見覚えのない自販機。うわ、これが所謂”迷子”か?????って一人で混乱しはじめます。
こういう時は歩き回らず、その場でじっとしているのがいいと思うんですけど、落ち着かない私は歩き回り、ついにはスマホも充電切れ。詰みです。モバイルバッテリーは有りますが、何故かiPhone用ケーブルがみつかりません。もしかして長崎のホテルに忘れてきたかも…と混乱は更に加速。
ようやく捉えた民家の明かりを頼りに歩くと、そこそこ車通りの多い道に出ることが出来ました。正味30分くらいは彷徨っていたと思います。
どうにか駅にたどり着いて、電車に乗って、別府駅近くの亀の井ホテルにチェックイン。その存在がデカすぎて駅前の施設群でも一番存在感がある歴史あるホテルです。充電ケーブルはコンビニで購入しました。
営業終了間際のホテルバイキングに駆け込み、昼間と同じような夜飯を堪能。
その後は亀の井ホテル御自慢の天然温泉につかって一日のいろんな汗を流し、同時にイヤリングも排水溝に流し(翌朝のチェックアウト時までに救出していただきました、ご迷惑おかけしました…)、部屋に戻ったら雷の音で中々眠れず…翌日の旅程に響かなければいいなあ…と考えながら就寝しました。