駆 動 輪 。

その脚を、ゆっくりと前へ。

その、蝦夷地への進行は......(3)

早起きして大好きな遠藤正明(歌手)の故郷・石巻で美味しい海鮮丼を食べたいが為に、石巻の町を3時間弱歩き回った挙句時間的都合でもう無理!!!ってことで笹かまを頬張りながら小牛田を経由して東北本線をさらに北上します。

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岩手県内にはいった途端、車窓には水滴がつくようになりました。いやー傘もってないんだけどなあ…。

ちなみに岩手県を北上中、水沢駅を通過した際にほろ苦い青春の1ページを思い出しました。詳細は伏せますが、まあそういうことです。

(漫画の主人公が)失恋した傷心旅行中に、うっかり自身も傷心するという事態に涙をこらえきれず今すぐ東京に引き返したくなりましたが後の祭り。もう引き返せません。きっと北海道に行けばステキな景色とステキな出会いがあるに違いありません。

歩きっぱなし座りっぱなしで限界に近づいてきた足腰への負担と共に辛抱しどころだ、頑張ろうと意気込みます。

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お昼頃、盛岡に到着しました。まだ雪が積もっています。

そういえば仙台は雪が積もってなかったなーってツイッターで呟いてたら、東北出身の友人が「太平洋側はあんまり降らないんだよね」って教えてくれました。文系の人間なので天気関係の話はサッパリですが、新潟や長野で雪が降って静岡で雪が降らないよう

なものと自己納得させます。

というか、雪が積もってるのではなく“雪が降っている”と現在進行形な訳で、ハッキリ言って3月の東北を舐めてました。

近場の薬局でビニール傘を買って、とりあえず盛岡駅付近を観光しようと思います。

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駅からすぐのところにある「開運橋」。

別名「二度泣き橋」とも呼ばれているようで、首都圏などからの転勤族の間で語られたのが由来。

初めて盛岡へ訪れ開運橋を渡る際「遠く離れた所まで来てしまった」と一度泣き、転勤期間を終えて盛岡を去ることになり盛岡駅へ向かう途中に再びこの橋を渡り、二度目は離れるのが辛くて泣くという、古くから語られる良いエピソードがあるそうです(wiki参照)。

そして、この橋を願いを込めて渡れば運が良くなるとか。じゃあ盛岡市民は全員強運の持ち主じゃないっすかね。

ちなみにこの直後、強風によってビニール傘が使い物にならなくなりました。

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さらに雪道を進むと盛岡城址公園に到着…したのですが、寒いし雪は降ってるし、これ以上盛岡の町を歩き回るのは死に値すると感じ取ったので城址公園に入ることなく撤退しました。いつかリベンジしたいところ。

ってか、盛岡の段階でこんだけ寒かったら北海道ってどんだけ寒いんだろう。実は3月でもお天気のお姉さんが「今日は氷点下-2度と比較的あたたかくなるでしょう」とか平然と言ってたら怖いなあ。それって狂気の沙汰でしょ。北海道怖いわ。恐ろしいわ。試されるわ。

ってことをブツブツと一人で言いながら盛岡駅に戻って、盛岡のご当地“じゃじゃ麺”を食べることに。冷麺は個人的にちょっと。

じゃじゃ麺って結構普通というか、正直じゃじゃ麺をバカにするつもりではないのですが、ぶっちゃけ美味しいとは感じることができませんでした。そして、それを盛岡出身の友人にいったら「俺もそう思う」って言ってました。なんやねん。

じゃじゃ麺は基本的に推奨される食べ方があるそうなんですが、隣の席で大きな荷物を抱え旅行中とおもわしき同い年くらいの女性も首をかしげながらじゃじゃ麺を食べてました。あ、画像は撮り忘れました。

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口の中にじゃじゃ麺の味噌の風味を残しながら、此処から先は岩手銀河鉄道に乗り込みます。

そう、今回の旅は青春18切符ではなく北海道東日本パスを使用しています。そのため、本来なら内陸へ迂回しなければいけない東北地区において、最短最適のルートを平然とした顔で駆け抜けることができるのです。

全国ならともかく東日本地区のみを旅行するのなら、連続する7日間という制約こそあるものの値段的にも利用ルール的にもお得な北東パスを使ったほうが良いのです。北東パス最高!!!!北東パス大好きです!!!!

岩手銀河鉄道線の前面展望を楽しもうと列車に乗り込むと、運転席横には一人の女性駅員がいました。

別に深い意味はありませんが、本当に可愛いとしか形容しようがない女性車掌が豪雪の、極寒の中、駅に停車してはホームに降り立ち改札を行うという姿に心うたれるものがありました。この少女は寒い中頑張っているんだ、私なんてヌクヌクした車内で座ってるだけじゃないか、頑張ろう、そして執着の八戸についたらこの少女を抱きしめよう―――という妄想をして暇な車内を過ごしました。

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八戸では接続時間90分。そして現在時刻は19時頃。陽は完全に傾いて、駅前は真っ暗でした。

このまま順調に進めば青森到着は21時過ぎ。そしてその時間帯に飯屋が空いているとは到底思えません。居酒屋とかなら開いてるだろうけど、別にお酒を飲みたいわけじゃないし。

ってことで、この接続時間中に“八戸ラーメン”を堪能することに。

注文してから品物が出されるまで時間がかかった挙句、でてきた第一印象は「え、これカインズホームの飲食コーナーで販売されてる250円くらいのラーメンじゃん、え、まじかよ、これで700円かよ、八戸ラーメン最低か???」って感じでしたが、スープを飲んでみてビックリ、見事な海鮮出汁でした。八戸ラーメン最高!!!八戸ラーメン大好きです!!!!

大好きな八戸ラーメンに満足して、ここからは青い森鉄道線に乗り青森まで行きます。

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いやー久しぶりだね。2年ぶり。本当に。あの頃は活気がありました。そりゃそうだ、なんたってねぷた祭り期間中だし。

でも今は何もない平日の21時過ぎ。おまけに極寒。町の中を誰一人歩いてる気配がありません。そりゃそうだ。

ってことで今夜はここで一泊―――しようと思ったのですが、財布を開いてみるとホテルに泊まれるほどの余裕はなく、外気温同様に寒い現状にため息。うーん、どうしたものか…

と、ツイッターで助けを求めてみたら、仙台に住む北海道民のフォロワーさんがいいことを教えてくれました。

「だったらフェリーはどうですか???」

(続く)