汗だくになりながら園内を散策します。
野外展示なので保存状態がいいとはいえませんが、それでも定期的に手入れがされている様子。
そういえば、碓氷鉄道ぶんか村は今年の春に開園20周年を迎えたとのことで、夏には各種イベントが行われる模様。お暇な方は是非いらしてみてはいかがですか?(ステマ)
…とはいってみるものの、平日の猛暑日ということもあって人影は疎らでした。これで入園料が大宮鉄道博物館の半分以下ですからね、もしかしたら近い将来に廃園…なんてことがあるかもしれません。そう考えるとちょっとやるせない気持ちになりました。
ので。
この碓氷鉄道ぶんか村が末永く後世に残って欲しいという願いを込めて、いい大人2人はミニSLに乗車することにしました。
本当は走行中の様子も撮影したかったのですが『車体バランスを保ち脱線を防ぐため撮影は禁止です』といわれたので素直に従い撮影できませんでした。まあ私もいい大人ですからね、ええ。
で、園内を一周しているときにふと色々な疑問が湧いたので友人と推理ごっこをはじめました。
『このミニSLって実際に石炭を燃やして走ってるんだよね?』
『だとしたら運転士はボイラー技師免許必要なのかな』
『それ以前に動力者操縦免許も必要なんじゃない?』
『でも私有地内の運転だし』『でも営業運転でしょ?』
『た、たしかに…』
『てかこの路線、信号なくね?』『単行運転だから閉塞ないんじゃない?』
『それって営業路線的にいいの?』『そもそも一般的な営業路線の枠組みにはいるの???』
人が疎らとはいいつつも、一応ほかの来園者。特に小さな子供もいるなかで、いい大人2名は身もフタも夢もない毛利小五郎もビックリの鉄道推理をしていたら、あっという間に一周して駅に戻ってきました。
駅に戻ってきたあと推理の答えあわせがしたくて、迷惑とは思いつつミニSLを運転していた方にお話を伺いました。
Q『これって動免とかボイラー技師免とか必要なんですか?』
A『一応講習は受けますが、実際の鉄道とは違って私有地内の、いわば遊園地のアトラクションという分類なのでなんちゃって動免・ボイラー免です』
Q『なるほどアトラクションですか、確かに納得です。だから閉塞という概念もないんですね?でも某舞浜のネズミ王国に走ってる奴は一応閉塞が用いられてますけど、あれとは違うんでしょうか?』
A『あっちは複数列車の運転も想定されているので閉塞をもちいていると聞いたことがあります。あとあっちの運転士さんはちゃんと動免が必要らしいです。そういう意味では向こうはアトラクションではなく鉄道なんじゃないでしょうか?というか良くご存知ですね(笑)』
Q『ちなみにこのSL、逆転器とかついてるんですか?』
A『一応、前進・中立・後進でついてますよ。これだけ小さいので実車のような細かい力行・ブレーキはできませんが。ちなみにこのSLは1台350万円くらいでかえるので、お兄さんも是非(笑)』
Q『まず車両を走らせられる広い土地がほしいです(笑)』
本当に忙しい中、オタクの鉄道推理に快くお付き合いしていただいてありがとうございました(土下座)。
なるほどなるほど、とオタクの鉄道推理の答え合わせに納得していると、お姉さん(要出典)が「あっちも乗りますか?」とたずねてきたので、お言葉に甘えて…
乗ります。でも今日は平日なのでDLです。
ちなみにここでも、いいオタク2名は鉄道推理を始めます。
『この機関車ってバッテリーかな』『あれ給油口っぽいしDLじゃないかな』『でもエンジン音かなり静かだよね』『もしかしたら電気式ディーゼル?』『どうでもいいけど機関車に緩衝器があって客車にないの、これってダミーってことかな』『だろうね、ダンパー機構付いてないし』
『お、腕木式信号機ある。こっちは閉塞概念あるのかな』『でも地上子はないよね』『まさかATS以前の鉄道システムとか?』『そんなバカなwwwwたぶん信号機はダミーでしょ』『うわ、ここ25‰だってさ』『ちゃんと表記はあるんだね』『てかレンガアーチのところ結構な高さあるけど、これ強風とかに煽られない?』『あそこに風速計あるから、一定以上の風でウヤるんじゃない?』『え、まって、この運転士は動力車操縦免許もってるのかな』『』いやーこれもアトラクションじゃないかなあ』
(碓氷鉄道ぶんか村の腕木式信号機の資料)
(碓氷鉄道ぶんか村の勾配標の資料)
(碓氷鉄道ぶんか村の風速計の資料)
橋の上から園内を眺めていると、入園直後にヤバイと感じさせてくれた彼がこっちを見ていました。控えめに言ってヤバイ。
結局こちらも園内一周して(流石にオタクの推理攻撃を察したのか、機関車の運転士さんはそそくさと整備を始めていたので色々お伺いすることは出来ず)、暑いねってことで車両を眺めながらかき氷を食べました。
で、これでだいたいの目的は達成されたわけですが、うーんまだ午前中だぞ。
時間が余った、どうすっか。出来れば暑いから室内に行きたい。あと帰りのことも考えて都心にちかいほうがいいよなあ…
そして友人がこんなことをいいました。
『そうだ、大宮に行こう』(JR東海~)