一般的な美術館や博物館の滞在時間は4時間程度といわれています。
もちろん会場の規模に拠るところでもありますが、大体は展示品の細部まで眺めたり、解説文を読んだりしていると相応の時間が過ぎていくもので、また展示物が一つのテーマに寄与していることが多いために『コレだけ見て、あとは興味がない』といった形の観覧方法も基本的にはありえない、短時間滞在など原則としてありえないというのが世間一般的な常識です。
ましてや『鉄道車両』という大型展示品がいくつもある碓氷峠鉄道ぶんか村を見てまわるとなれば、もちろん一日中いられるような園側の工夫があるにせよソレ相応の時間がかかるはずです。
…が、今回自分達が碓氷峠鉄道ぶんか村にやってきた理由は(園側には申し訳ありませんが)、(何故か危険物運搬の標識を掲げたマニュアル式のトラックと言う絶対にソレには向いていない)レンタカーでドライブするところにあり、ぶんか村が第一の目的と言うわけではありませんでした。
ですから、ぶんか村での滞在時間は冒頭にお話した平均4時間の半分以下で、しかも開園と同時に入場したこともあって午前中になんとなーく用事を終えてしまった間が強かった私と友人。
もちろんこのままぶんか村に滞在するのも悪くはありませんでしたが、7月とはいえ連日続く猛暑日に私も友人も語彙力が低下し「あちぃ」としかいえなくなるほどヤラれていたこともあり、出来れば涼しい屋内の施設に行きたいと考えていました。
そこで―――
大宮にやってきました。
いやーね、ぶんか村→鉄道博物館という博物館ハシゴ、本当に好きなんだなーこの人たちって思うでしょ?
確かに鉄道と言うものに魅力を感じる側の人間ではありますが、いうほどこだわりとか知識とか思い入れとかありません。ただのファンです。あしからず。
ちなみに駐車場に入ろうとしたところ、警備員さんの案内でなぜか業者専用駐車場に誘導されて「一般来場です」と説明すると『あーそうなの!トラックだからてっきり業者さんかとおもったよ!!』と言われました。だからトラックでいくなとあれほど(((
私自身の来館は約3年ぶり。北本運転会開催前にオフ会と題してココにやってきた以来の鉄道博物館です。
少し前に内装や展示をリニューアルしたと聞いていましたが、記憶にある館内とまったく様子が違っていて驚きました。
しかし展示されている車両は変わらず、多少配置や方法が変わっているだけで、まあこれといってみるところはあまりありません。
ので、本館はほどほどにして…
新たに設けられ、先日オープンしたばかりの新館に移動しました。
こちらは車両展示こそ画像の通りE5系と400系新幹線ですが、主に鉄道事業に携わる人々の仕事の紹介や仕事体験といった、一味違う切り口からみた鉄道を紹介するような展示となっていて大変興味深いものとなっていました。これには友人を置いて一人じっくりと解説文を読んでしまいます。
特にこちらの歴史コーナーは、日本に鉄道が開業した明治時代から現代に至るまでを約6つの時代に区分して、車両・信号・土木といった各ジャンルを貴重な資料と共に丁寧に解説しており、鉄道歴史好きとしてはたまらないコーナーでした。
ちなみに友人はこの手のものはあまり興味がないようで、私がじっくり展示物を見ている間、一人運転手ミレーターに並んでいた様子。
そして、あるゾーンではカップルとおもわしき男女(どちらもオタク気質な感じ)が手を繋ぎながら、特に男性が女性に対して暑く解説をしている光景が視界に入ってきました。
女「これ、千代田線だよね?」
男「ああ、そうだね。今じゃもう走っていないやつだね」
そういって男が指差していたのは東京メトロ6000系…え、6000系ってもう走ってないの???いつのまに引退したの???と焦ってスマホで検索したら6000系まだ2本くらい残ってるじゃねーか、おい男、おまえ嘘はよくないぞ、女性に嘘つくなんて許されるわけないだろ恥を知れ!!!!
新館の4階はトレインビューが出来るレストランとデッキテラスとなっており、多くの子供が暑さに負けず、風にも負けず、眼下を往来する電車に手を振っていました。本当に子供は電車が好きなんですね、私はいい大人なのでよくわかりませんが。
ほかにもプラレールのプレイゾーンで遊びたい欲が高まったり、ミニ電車コーナーにて「ここは信号もあるし閉塞も地上子もあるんだね」「でもあの小さな車体にどうやってATS取り付けたんだろう」などとオタク推理を決めて、16時前に退館しました。楽しかったです(小並)。