駆 動 輪 。

その脚を、ゆっくりと前へ。

その、天高くウマ肥ゆる秋の大地で……(10)

さて、ウマ娘等身大パネルも可能な限り回収が終わりました。牧場見学もいけそうなところは回りました。レンタカーの返却は20時まで。現時刻は16時なので、これから札幌に帰れば渋滞や事故に巻き込まれない限り余裕をもってレンタカーを返却できそうです。

 

…ただね、せっかく襟裳まで足を延ばしたんです。ここで帰るという選択をして本当にいいのだろうか、時間に余裕がある旅なんてしていいのだろうかって、ちょっと不安になってくるんですよね。何事もなく程よく疲れて帰れるのが本来の旅行なんですけど、いろいろ鍛えられすぎて逆に物足りないような気がしてならないんです。これってトリビアになりませんか?お願いします。

とはいえ、レンタカーの返却は20時。これは厳守ですから、これから寄り道はできません。でもでも、やっぱり襟裳まで来て帰るのも…と頭を抱えながらGoogle mapを見ていると、襟裳から上の方にいくとちょっと面白そうなところがありました。

この面白そうなところに寄り道するとレンタカーの返却は間に合いません。そもそも店舗の営業時間が20時なので延長となると翌日の営業開始8時以降。料金がいくらになるのかわかりません。が、まあキズ代に比べたら安いでしょう。

それに次いつ北海道に来ることができるのかわかりませんし、この面白そうなところを次回にしてしまった場合と今回のレンタカー延長代金を天秤にかければ、どちらが安く済むか一目瞭然。

 

ということで襟裳から西へ札幌へ戻るところ、進路を北にとることにしました。

 

 


18時40分 帯広市 帯広競馬場
運転していますし、トイレ休憩すらせずノンストップで爆走してきたので道中の写真はありません。ただ道中、火曜サスペンス劇場の如き断崖絶壁の海岸線を通ったり、前方視野が100m程度(当社比)の濃霧に見舞われたり、道中みかけた『機関庫の川公園』という看板につられて寄り道するも鉄道要素皆無でガッカリしたりと飽きることはありませんでした。

 

…はい、そんな感じで帯広にやってきました。帯広といえば鉄道やワインなんかが有名ですが、今回は競馬に関連する旅でもあります。そして帯広と競馬といえば”ばんえい競馬”しかないでしょう。

 

ばんえい競走とは
日本国内の公営競技地方競馬)としては、帯広市が開催するばんえい競馬のみ行われている。漢字表記は”輓曵”ですが、一般的な表記は平仮名。詳細はWikiへ。

 


競馬開催日ですが、18時を回ったこともあってか競馬場に併設されたお店類は殆ど閉まっていました。ここで夕飯食べれるなら食べたかったのですが残念。

 


場内にはばんえい競馬にまつわる品などが展示されていました。

 


冗談右側が動物園のふれあいコーナーなどにいるポニーの蹄鉄、真ん中が皆さんが良く知るサラブレッドの蹄鉄。そして左側にある一際大きい蹄鉄がばんえい競馬で活躍するばん馬の蹄鉄。ちょっとやばい(やばい)。

 


土曜日の夜という事もあって場内はそこそこ賑わっていました。家族連れ、旅行者らしいカップルも当然ですが、貫禄のある地元競馬ファンらも真剣なまなざしで予想をしています。

 


折角なので馬券購入。中央競馬はいつもネットで購入投票してしまっているので、こうやって競馬場で馬券を手に取るのは初。すごい競馬やるぞ!感が溢れてきました。

単勝は3番の”キタノココロ”。シンプルに名前投票です。3連複は各馬の単勝オッズをみつつ気になる馬をチョイスしました。

 


こちらが場内の掲示板。ばんえい競馬は直線200mほどのダート障害競走。コースから近い距離で観戦ができることもあって、掲示板には競争の様子を映し出すビジョンがありません。そして一般的な競馬競走における馬場状態は”良・不良”などではなく、砂に含まれる水分量が表示されています。

 


などと施設のあれこれを見学していたら第9レースがスタートしました。

 


カメラの充電も減っていて暗所撮影が苦手なのでボケた写真ですが、レースはこんな感じ。

一般的な競馬と違い、騎手はウマが曳くソリに乗ってウマに指示を出しながら走ります。馬に乗りません。それって騎手っていうのか?と思った人、馬を操る人が騎手ですから、馬に乗っていようがソリに乗っていようがウマを操っていれば騎手ですよ。

そして200m直線のダートコースには山と呼ばれる障害が2つあります。1度目の山越えは各馬とも順調ですが、2度目の山越えが人馬共に正念場らしく、1度目の山越えの勢いそのままに登り始める馬もいれば、2度目の山越えの手前で一度立ち止まり呼吸を整えてから登り始める馬など様々。馬の特徴やコンディション、騎手の判断が勝敗を分けるそうです。

 


そして2回目の山越えを終えてゴールへ。

一般的な競馬では馬の鼻先によって勝敗が決しますが、ばんえい競馬はソリを曳く競馬ということもあって、馬ではなくソリが決勝線を越えたところで判定されます。稀に決勝線を越えきる前に停止してしまい後からきた馬に抜かれて順位を落とす馬もいるらしく、様々な点で一般的な競馬との違いがみられます。

 


暫く待つと着順が確定しました。お????これきたんじゃね????3連複きたんじゃね????????と5回くらい馬券と掲示板を照らし合わせました。ありがとうございました。まあ3連複なので返金額はあまり期待できませんし、ばん馬へのお布施だと思って馬券投票したので逆に少し申し訳ないような気持になりました。今夜はジンギスカンでも食べて帰ろうかな。