駆 動 輪 。

その脚を、ゆっくりと前へ。

その、Islands Blueに乗って…...(3)

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【前回までのあらすじ】2代目さるびあ丸のラストランに乗る旅、八丈島からヘリで御蔵島へ先回りし、御蔵島からさるびあ丸に乗り込む算段だった3名。しかし、御蔵島到着後に島の駐在さんから『ラストラン欠航』の一報を聞かされた我々は、ただただ途方に暮れるしかなったのである。

 

…ということで、写真は悲報を聞いて旅程崩壊に戸惑う同行者2名の様子。
特にお茶さんはさるびあ丸ラストランを楽しみにしていただけ、目の輝きを完全に失っていて、冷静な寅さんは情報を再確認すると同時に今後どうするかの検討を開始し、私はひたすら乾いた笑いをするしかありませんでした。

思い返せば、ここまでフラグというフラグが立ちまくっていたような気がするのでおさらい。

・天気は微妙 ・往路時、御蔵島寄港は大分難しい物だった
・いろんなものを拒んでいそうな雰囲気の御蔵島 ・飛行機は欠航
・好奇心優先のヘリ搭乗 ・遅延したヘリ離陸
・ヘリが飛んだことで『ヘリが飛んだから船も大丈夫』という慢心

立派なフラグです。見事です。あっぱれ。

 

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とりあえず坂を下りて、港の乗船待機所までいくことに。特に茶さんは道中『どうして…』状態で、フラフラと歩いていました。

待機所で必要のない運行状況確認。当然欠航。ダメだと思っていたチケットはどうにか無手数料で払い戻していただきました。

『寄港はできませんが、港の近くまで来てくれるみたいですよ』と、途方に暮れる3名に対して励ましにも似た情報をくれたものの、乗船できなければ意味がありません。
というか、さるびあ丸のラストランに乗れないこと以上に“御蔵島から帰れるのか”が我々をどん底に突き落としていました。船が寄れない以上、唯一の移動手段となったヘリの八丈島行きも欠航になる可能性があります。行きが飛んだからといって帰りも飛ぶとは限らないわけです。

 

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待合所で途方に暮れていたら船が島の近くを通る時間になったので、重い腰をあげて坂道を少し上ったところでさるびあ丸のラストラン撮影。島の住民たちもこぞって集まり、さるびあ丸にむかって手を振ったりしていました。

写真では天気は悪くないように見えますが、朝よりも風が強く、これで寄港は難しいよなぁ…と勝手に納得。

 

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さるびあ丸はゆっくり御蔵島の周りを走行し、3回の汽笛と素敵な思い出を島に残して東京・竹芝へと向かっていきました。ありがとう、さるびあ丸。特別な思い入れがあるわけではないのだけど、なんか悲しいよ。天気の子の聖地巡礼も『復路でいいか~』とか考えてたから未達になったけど、君のことは忘れないよ。

 

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さるびあ丸のラストランを見送った一行は、再び現実に引き戻されました。
しかし現状、2つの選択肢しかありません。

1.御蔵島で一泊し、翌日の船で東京・竹芝へ戻る

安価で済みますが、眼下で船が寄港しないという現実を見てしまった以上、明日も同じ事態になる可能性が頭をよぎります。そうなったら島から出ることはできず、明後日から仕事の面々としては職場に頭を下げるはめになる。これは絶対に避けたい所。

また、私の高校の同級生に御蔵島出身がいるのですが、Twitterで遭難した旨を離したところ『マジで何もないから脱出しろ』と言われる始末。地元民がいうのだから説得力があります。

というか現在時刻 午前11時ですよ。勝手に島に来て勝手に遭難している身でこんなことを言ったら無礼気回りないんですけどね、じゃあ夜まで御蔵島で何をしろと。島を一周する以外の選択肢があるようにみえないんですよ。いや、御蔵島にはいろんな魅力があると思うんですけどね、今の我々の気を紛らわせてくれるようなものはそうないと思うんです、御蔵島を悪く言っているのではありません、我々が置かれている現状が酷いだけなんです。

 

ということで、2.ヘリで八丈島に戻り一泊、翌日飛行機で東京・羽田へ帰るを選ばざるを得なくなります。になります。2回目のヘリ代と飛行機代がかさみますが、背に腹は代えられません。

 

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ということで、本日2回目のヘリ搭乗。めちゃくちゃ揺れた。死ぬかと思った。

ヘリを待つ間、ヘリは本当に飛ぶのか、『2名しか乗れません』とか言われたら誰を御蔵島に置いていくか、旅程崩壊は誰の責任なのか。いろんなものを互いに押し付け合った3名。でも誰も悪くないんだよなあ。

 

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なんとか八丈島に戻ってきましたので、翌日の朝一で羽田に行く便のチケットを購入。
この地点でオタク3名ともため息しか出ないほどに疲労困憊していたので、当日割引という素敵なプランを提供してくださったロッジにピットイン。

受付のお兄さん『観光ですか?』
茶さん『さるびあ丸のラストランに乗りに来て、ヘリで御蔵島へ先回りしたんですけど…御蔵島欠航で…』
受付のお兄さん『あ~…(苦笑)』

 

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少し歩いたところに評判の良い居酒屋さんがあったので、反省会を兼ねて本日初めての食事(夕飯)。地魚のから揚げなど大変美味でした。

 

ロッジに戻ってお風呂に入ったら即寝です。疲れました。茶さんはまだまだ飲むぞ~といった感じでしたが、私と寅さんは振り払うかのように、死んだようにベッドインしました。