その、Islands Blueに乗って…...(2)
‟ソレ”は突然やってくるのではありません。
いくつもの小さな異変と、冷静に考えれば絶対に選ばなかったであろう選択が、‟ソレ”を呼び寄せるのです。
人は常に冷静でなければなりません。
特に、普段と違う時。そして初めての経験をする時は…
てなわけで、雨と強風に揺られながらも八丈島に到着しました。
現在時刻は26日午前9時。数時間後には2代目さるびあ丸の東京行きラストランが出航します。当然このラストランに乗船するために我々はここまでやってきたわけです。休日出勤をお願いされても『その日はちょっと~』と誤魔化したわけです。
当然ながら東京行きのチケットも購入済み。
ですが、実は寅さんの‟さるびあ丸をおっかけよう”という発案の元、我々は港からタクシーに乗り込み空港へと向かっていました。
運転士さんは『コロナの影響で島に観光に来る人は減った』『でもコロナは怖いので出来れば今は(本土から)来てほしいとも思わない』『あんたら仕事かい?』と愉快そうに話しかけてきます。すみません、完全プライベートです。
さるびあ丸が御蔵島に寄港する際、高波と強風で着岸に大分てこずっていたことである程度分かっていたことでしたが、空港の案内板には‟欠航”の文字。少々の不安を抱えつつも、乗りたい便はどうやら飛んでくれるようなので一安心。お土産屋さんを物色しながら時間を潰し、そして搭乗手続きへ。←ポイント④
てな訳で、今回の旅のイベント2つ目‟ヘリコプターに乗る”を楽しみたいと思います。
このヘリは観光用の周遊ヘリではなく、各伊豆諸島を結んでいる立派な公共交通機関。
これに目をつけた寅さんが『八丈島に到着後、ヘリで上空からさるびあ丸を撮影しつつ御蔵島へ先回り。御蔵島から東京行きラストランに乗船して竹芝へ戻る』という、それはそれはとても楽しいツアーを企画・提案してくれたのです。
料金は往復の船より割高になりますが、ヘリコプターなんてそうそう乗れるものじゃありません。だからせっかくの機会なので乗ってしまおう。そんな感じです。←ポイント⑤
復路の乗船券を八丈島からで購入したのは、万が一にもヘリが飛ばなかった時のための保険。でもヘリは無事に飛んでくれる様子。これならさるびあ丸の復路もちゃんと運行するでしょう。なんたってヘリが飛びますからね、安心安心。ポイント⑥
乗客は我々3名の他に1名だけ。そしてプロペラがぶんぶんと音を立てて回りだします。
しかし中々飛びません。どうやら天候確認中の様子。←ポイント⑦
これはもしかして…と一抹の不安が頭をよぎります。
定刻より10分弱遅れること、ようやく離陸。
余談ですけど、ヘリって(厳密にいえば違うけど)上下に離着陸するものだと思っていたら、普通の飛行機のように誘導路をスススーっと移動して滑走路を走り出してから離陸していったことに寅さんと共にビックリしました。
SHINY DAYS. 新しい風~(アニメ“ゆるキャン△”OPより)
飛んでます。初めてのヘリに気持ちは高度10000ft。ぶっ飛んでます。高所恐怖症と気圧変化による片頭痛で精神的にもぶっ飛んでるかもしれません。
茶さんは高須クリニックのCMが脳内再生されたようです。私はヘリを操縦できることで有名なハリソン・フォードが出演した映画”エクスペンダブルズ3”と、同じく撮影のためにプロでもやらない螺旋飛びをマスターしたトム・クルーズが出演する”ミッション・インポッシブル6”を交互に思い浮かべていました。
生憎の厚雲で海は見えず。残念ですが、まぁ仕方ありません。
あれが御蔵島の港です。あそこから2代目さるびあ丸のラストランに乗船します。
ヘリポートが山の上にあるので、急な坂道を下りていかなければいけません。
御蔵島に到着。
丘の上の小さな(でも立派な)ヘリポート故か、ヘリが出発するまで待合所から出られないので、3名はヘリの余韻に浸りその時を待ちます。
ヘリが次の三宅島へ飛び立ったので出発。長く急な坂道を下りて港へ急ぎます。
…と、歩き出して1分もしない地点。ちょうど写真のところでパトカーを運転する駐在さん(ヘリ発着のお手伝いをしていた様子)に声をかけられました。
駐在さん『こんにちは、観光ですか?』
茶さん『ええ、さるびあ丸のラストラン…』
駐在さん『あ~今日がラストランでしたね!じゃあ島から見送りですか?』
茶さん『…?』
駐在さん『でも残念ですよね~、さっき欠航って連絡があって~…』
!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?(to be continued...)